アクトハウスの卒業生と一緒に北海道を旅してきた。地方創生とサステイナブルコミュニティとアクトハウスの理念と。

  • 2017.07.11
  • IT
アクトハウスの卒業生と一緒に北海道を旅してきた。地方創生とサステイナブルコミュニティとアクトハウスの理念と。

お世話になっております。

今日は「セブンイレブンの日」と聞いたのでセブンイレブンで買い物したけど特に何も起きなかった日本事務局の新村です。

7月7日から10日まで、3泊4日で北海道に行ってきました。

今回の同行者は、アクトハウスの卒業生「菊地さん」「藤井さん」の2名(実は昨年も同行してくれました)。北海道では、これまたアクトハウス卒業生の「岩本さん」と合流しました。

アクトハウスのウェブサイトに体験談インタビューがあるので、ご覧ください。

IT留学アクトハウス体験談08へ
アクトハウスオフィシャルウェブサイト:体験談インタビュー08

岩本さんは、アクトハウスの6ヶ月コースに参加後、地元北海道に戻り社会起業家として活躍されています。つい先ごろ、クラウドファンディングを成功させ、その資金を元手に「モバイルハウス」をオープンさせ、勢いに乗っています。

▶クラウドファンディングに成功したニュースはこちらに詳細があります。

藤井さんは、アクトハウスの3ヶ月コースに参加後、株式会社カグラの制作部門のメンバー(リーダー)として普段から筆者と同じオフィスで仕事をしています。

菊地さんは、アクトハウスの6ヶ月コースに参加後、インターンをしながら、株式会社カグラの制作部門のメンバーとして働き、そのままインターン先の企業に正社員として就職しました。

▶実は3人は2017年6月には「懇親会」で顔を合わせていました。その際の様子は当ブログでも取り上げております

北海道に何しに行ったの?

目的は色々が複雑に絡んではいるのですが・・・。

「人と人が繋がるプラットフォームであるアクトハウスの理念を、地方創生に活かすプロジェクト」と、筆者のライフワーク「DJ」との掛け算、でしょうか。

・・・何のことやら、ですよね。留学、そして、ITやビジネスと関係あるの?っていう。

なので、経緯をちょっとご紹介させてください。

2015年、「アクトハウスを地方進出させる」というパイロットプロジェクトがありました。舞台は、北海道の道南地域にある「今金町」です。

橋渡しをしてくれたのは、札幌市でマーケティングコンサルティングやセールスを手がけるBWORKS社の宮澤社長と、今金町で特産の鶴の子大豆を使った豆腐等の製造・販売を手がける小川食品の小川さんのお二方でした。

「おいしい」と評判の、小川食品の「豆腐」。添加物を一切使っていないため、賞味期限が2日しか無いそうです。こちらは、道外で手に入れることはかなり難しい商品。

道内なら配送が1日で済むからと、宮澤社長が札幌で試しに販売したところ、あっという間に完売したのだとか・・・。筆者も今金町にお邪魔した際には必ず食べていますが、本当に美味しいです。

宮澤社長とは、岩本さんがアクトハウスに参加するきっかけも作っていただいたり、趣味の場でご一緒させていただくことがあったりと、何かとお世話になっています。

そして、小川さんとの出会いをきっかけに、今金町の町長・副町長を始め、多くの町民の方と触れ合うことができました。

2015年の夏には、実際に筆者は家族とともに10日ほど「田舎暮らし体験」として今金町に滞在しました。そして、この土地が最近流行りの余暇の過ごし方「ステイケーション」に適している土地である、ということに気づくことができました。

※残念ながらアクトハウスは、しばらくの間、セブでのIT留学事業に集中するため、地方進出については保留状態となっています。しかし、地方創生は社会的な課題と認識しており、いつかは取り組んでいきたいと思っているところです。「ITx農業xビジネスの留学」なんていうモデルも考えていたんですよ。

小川さんは常日頃、「町をなんとかしたい」「若い人が集まるような仕組みを考えたい」と熱意を持って考えていらっしゃる方でした。「ITを学んだら、若者が町に帰ってきやすくなる」とも仰っており、そんな姿勢に筆者も共感した次第です。

それから、小川さんが企画・主催されたイベントに縁あって毎回参加させていただいています。そして今年もイベントが開催されることになり、筆者がこのイベントに出演するため、北海道にやってきた・・・、というワケです。

どんなイベント?

タイトルは「ピリカる!2017」と言います。

「ピリカ」は今金町の東に位置する地区の名前。スキー場と温泉があり、「クアプラザピリカ」という施設があります。

クアプラザピリカを会場に、音楽・パフォーマンス・各種地元物産等の企画が目白押しの地域密着型フェスなのです。道内では札幌・旭川等の都市からもパフォーマーが集い、地元住民と交流します。「今金町を知る」とても良いきっかけになっていると筆者は考えています。

筆者たち一行は7/8の夕方に現地に到着し、周辺地域の産品を豊富に盛り込んだBBQを堪能し、夜遅くまで町の人たちとの交流を楽しみました。

今金町のトップブランド「今金男爵(じゃがいも)のフライドポテト」。じゃがいもなのに、みずみずしくて美味しいのです。

外ではキャンプファイヤーもありました。夏でも夜は気温が10度台になることもあるので、キャンプファイヤーの火が暖かくて心地よいです。

地域密着型フェスの良さは、地元住民と外部から来た人が交流を図るという「場」の提供にあると、筆者は考えます。この理念は、まさにアクトハウスの理念と同じです。オンラインでの交流が増え、リアルでの交流が減るばかりの現代社会において、オフラインで人と人をつなぐ場が、いま求められていると思います。

人と人がつながり、知見や思いを、今金町を流れる清流、後志利別川のように、脈々と受け継いでいく、そんな場が。

そして、このような場には、地域発展を願う地元住民と、高いITやビジネスのスキルを身に着けたアクトハウスの卒業生のマッチングが必要。つながることで新しい何かが生まれるのではないか。そんなことを思って、今回のツアーに参加してきたのです。

高いスキルを身に着けられることが評判を呼んでいるアクトハウスのカリキュラムについてはこちらをご覧ください。↓

もうひとつの目的

さて、今回はもう一つ、北海道に来た目的がありました。余市町で「モバイルハウス」を運営している岩本さんに会い、「モバイルハウスを見学すること」です。さらに、岩本さんと今金町をつなぎたい、という筆者の思いもありました。

イベントから一夜明けた7月9日、今金町と余市町をハシゴし、その目的を達することができました。

まずはじめにやってきたのは地元ミニトマト農家の「伊藤農園」。

美味しそうなトマト。

出荷する農産物の品質意識が非常に高いと評判の今金町のJA。品質の高さ自体が全国各地で評判を呼んでおり、「今金男爵」というじゃがいもをはじめ、多くの種類の農産物を出荷しているそうです。

選果場で、就農者を探す難しさについて語り合いました。

岩本さんは余市町で若者の就農の仕掛けづくりに取り組んでおり、モバイルハウスはその住居として使われているという経緯もあります。JA道南の青年部長も務める伊藤農園の伊藤さんとは、熱い意見を交わされていました。

障がい者雇用に関する伊藤さんのお話を聞き、藤井さんは自身が興味を持つ教育分野との応用を考えているようでした。

また、ミニトマトの選果機の前では、全国トップクラスという評判の出荷基準の説明を受けつつ、社員として働いている企業で機械学習技術を扱っている菊地さんが、機械学習技術をトマトの選果に応用した自動選果機の可能性を考えていました。

どれも、すぐにビジネスに繋がるわけではありません。しかし、このように「現場を見る」「現場の声を聞く」ことが、ITを用いたイノベーションの第一歩に成ると筆者は考えており、今回は参加者がそれぞれに情報を多くインプットした貴重な機会になったものと思います。

その後、余市町に移動して、いよいよ岩本さんが運営しているモバイルハウス「GNU(ヌー)」とご対面。

新品のコンテナの購入方法やその調達金額に驚いたり、法制度整備が追いついていない現状を知ったり、ここでも学びが非常に多かったです。

岩本さんとは、地方創生や就農者を募る仕掛けについて深い議論をすることができました。人材や遊休リソースの利活用は、日本の生産性を上げていくためには必須の取り組みと考えており、アクトハウスが持っている「人生の選択肢を手に入れてもらいたい」という思いは、そうしたスキルを身に着けた人材がリソースをうまく融通しあって生産性を高めて行くための基礎になってほしいという願いに通じているのです。

例えば、就農する若者が合間を見つけてITの仕事ができたら―。ITを活用して地場の魅力を発信することができたら―。時期や天候に左右されがちで不安定という印象がある就農者が、より安定稼働できるための一助に、ITのスキルこそが成り得ると思うのです。

持続可能社会を模索するアクトハウス、その思い。

今回は、留学後の卒業生同士の交流と地方創生を絡めて大変有意義なツアーとなりました。今金町・余市町・BWORKS社・小川食品・そして、アクトハウスとその参加者たち・・・。

アクトハウスが全てのきっかけだったわけではありませんが、今回も様々につながって行くことができました。

サステイナブル・コミュニティ(持続可能社会)という言葉が昨今、浸透しつつあります。この言葉自体はとても幅の広い言葉ですが、アクトハウスでもこの理念の達成を目指しています。

アクトハウスに関わる人が、アクトハウスという「場」をきっかけにつながり、次のビジネスやソリューションを創り出していってほしい。その後押しをしていきたい。
そんな思いを抱いているのです。

実はその理念が体現されたイベントが、7月11日、セブ島で開催されました。アクトハウス参加者向けのプレミアムなプログラムなんですよ。


「場」でつながりを作るには、同じ釜の飯を食うのが一番。だから、「シェアハウス型」でアクトハウスは運営されています。

留学後に、フリーランスや企業設立をする人、正社員になる人、学生生活に戻る人・・・。進路は人それぞれです。ですが、机を並べて勉強をした「大切な仲間」であることは揺らぎません。そんな「仲間」が、留学後にも「縁」としてずっとつながり続け、さらに「アクトハウスの卒業生同士」というつながりが広がっていく。そんな姿をもっともっと大きくしていきたいと願っています。

おまけ。

余市といえば、「余市蒸留所」がありますね。それに「うっかり」気づいてしまった筆者。

売店に入って大興奮。「仕方ない」と30回くらい口走りながら、「蒸溜所限定ウィスキー」を3種類とも買ったのでした・・・。だって、「蒸留所限定ウィスキー」は評判が高いんですよ・・・。仕方ないですよね・・・。

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